割り込みで申し訳ないのだけど、ちょっと私、アキから少し…。
少し話は戻るんだけど、ユウが愛先生と話す前に、私も愛先生とお話ししてたんだ。ちょっと気になる事があったから。
「私達の身の回りを調べられたのであれば、既にご存じだとは思うのですが、ユウは実は…。」

私がしようとしていた質問を理解していたようで、続けて話はじめた。

「養子って事だったわね。記憶にないくらいに幼い頃だったので、本人はほぼ覚えていないらしいけど、知ってはいるはずよね?学校の入学や奨学金の手続きをしたのはユウさん自身だったとは思うから。」
「やはり、ご存じなのですね。ユウ自身は育てのおじさんおばさんに恩義を感じていて、唯一の父親と母親とは思っているらしいので、その事についてはどうでもいいのですけど、不自然な遺伝子疾患の件…」

見ず知らずの皆さんまでに公表していいのか悩む所なのだけど、ユウは小学校の頃に一度入院した事があって、地元病院では状況が理解できなかったらしく、専門病院に転送されたあげく、その医師が言った言葉は、

「まるでドリーのようだ」

って話。私もそこまで無知ではないので、そのドリーとやらがクローン羊の事だってくらいは理解しているつもりなのだけど、そんな変な答えをつぶやく前に治療法を探せよって思ったの。正直なところ。
検査に協力した大学からは、DNAサンプルから分析した結果、ドリーの体に発生した事象と似たような事が起こっているって言われたのだけど、その後意気込んで調べようとしていてた大学の教授達が急に勘違いだって謝ってきたって聞いたのだけど、正直どう考えていいのだかよくわからなくなって。
ただ、現実としてその通りならば、倫理違反の外に、重大な法律違反な訳で(人間のクローンは作っちゃだめだよ?)、原因にたどり着くのは簡単じゃ無いとは思うのだけど、大元の原因にたどり着く事がユウの体調を健康に保ち続ける唯一の方法だと思って、とりあえずユウの今の身の回りから調べてみる事にしたのが元々なのだけど。

…うん、確かに途中から大幅に脱線しちゃってるのは事実。

実際、ユウ本人には「風邪を大の大人が大勢して大袈裟にとってしまっただけだ」っていう事で通してて、それを信じ切っているようだし、現在のところ「本当にそうじゃないかなぁ」って思えるくらいに元気な訳で、まあ問題がないと言えばそうなのだけど、またいつ急転するかとかは正直わからない。
私にとっては既にお手上げだったけど、ひょっとすると愛先生にはなにか心当たりがあるかもしれない。

「う…ん。心当たりはあるんだけどね。まあ、確証を取るのは私にもオーバースペックぎみの案件だし、無理をしそうなあなたたちには今の所は教えられないな。…今の所はね。」
「そうですか…。」

私が軽く頭を下げて、退室しようとすると、愛先生は私を呼び止めて、

「あ、多分ユウさんは私の元彼の事を調べようとすると思うの。多分、止めたって止めないと思うからそのままGOサインを出すつもりだから、一緒にいてあげてくれないかな。」

その要望に対して、私にはイエスの言葉しかないように思いました。