なにか勘違いしてるんじゃないかな?と思うダウンロード厳罰化賛成者の話。

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潜在的なお客様さえも盗人だと思えっていっているように読めてしまったのは蜃気楼かなにかでしょうか。
「市場を公正なものに」「CDが売れるようにはならない」──著作権法改正案、参院で参考人質疑 (1/3) – ITmedia ニュース

違法ダウンロードに刑事罰を導入する著作権法改正案が参院で審議され、津田大介さんらへの参考人質疑が行われた。「日本の文化を守るために不可欠だ」「刑事罰化の前にやることがある」と、賛成・反対の立場から参考人が意見を述べた。



ちょこっと読みながらコメントでも書いてみようと思います。実際各人がどんな発言をされていたかはリンク先の記事を読んで頂くか、参議院のアーカイブをご覧になってください。

「ルールもリアルと同じでなければならない」──岸教授
いや、ルールが同じでなければいけないという点については否定するつもりはないですし、「アーチストにお金が渡らない」という構造はさすがにおかしいと思います。
ただ、ニコニコ動画のように極力権利者に連絡を取って、お金が渡るようしようとしている行動は、曖昧な現状だからこそできる事であると思うのです。
これが正式に違法となるのであれば「交渉に行った先で逮捕」となったりする可能性があるのに、そのリスクを犯してまで交渉に行けるかというと正直微妙です。
仮に違法化するのであれば、それを行う余地を残した「フェアユース規定」を合わせて盛り込むべきで、一方的に罰則だけを織り込んだ法改正は、権利者、利用者共に動きづらくするだけの話だと思います。

あと、違法ダウンロードがリアルで言う万引きだと言っている所が、どうかと思うのです。なんでか?
リアルの世界で言うと「古本屋やフリーマーケットで販売されている商品を盗品かどうか気にしているか?」という事でしょうか。盗品であっても、「盗品です」と札がついているわけではありませんし、本について「購入レシートが無いじゃないか?」と疑うにしても、「売れなかったから、もったいないので返本分をタダで配ったのが流れてきた」って事があるかもしれない訳で。区別がつかないわけです。
第一、そこで疑いをかけたりしたら、「人を犯罪者扱いにして腹が立つから、この店には来ないようにしよう。この作者の本なんて一切買うもんか!」って話ですよね。そういうことをサラリと認めるって事は、「コンテンツ産業

「日本のコンテンツビジネスはもたない」──久保利弁護士
「やってはいけない事」を周知する事は大切な事です。ただ、ちょっとした事で刑事罰に問われることがないというのは、警察や検察への過信であり、実際のところはそうでない事くらい周知の事実ではないかと思うのですが。
第一、「警察が黒といったらとことん黒という路線で引っ張ってしまう」という案件をいろいろニュースなどで取り上げられている状況で、「そんな利用の仕方はされない。安心しろ!」って言われたところで…。
そんなガッチガッチな状況の方が、コンテンツビジネスは持たないと思うのですが…。

「刑事罰化する前にやることがある」──日弁連
概ね同意。実際に取り調べをやるとすれば、おそらく違法ダウンロードと判っていてダウンロードしている人は「違法とはしらなかった」といういうだろうし、警察や検察は本当に違法とは知らなくてダウンロードした人が同じように「違法とは知らなかった」「パブリックドメインだと思っていた」と涙ながらで訴えたとしても、「それは単なる言い訳」と判断するのかと思います。現状、どちらが通用してしまうかというと、警察や検察の主張の方かと。
…疑わしきは被告人の利益なはずなのにね…。
仮に死にものぐるいで「無罪」を勝ち取ったとしても、最初の案件を除いてそんな大きくは取り上げられないだろうし、おそらく今までの生活や信頼はボロボロです。気にくわない人を陥れる方法としては最適な方法です。
私自身はこっちの意見の方が正しいと思うのですが、甘い話でしょうか。

「ユーザーは萎縮することで買わなくなる」──津田さん
むしろ、「なぜ萎縮するのか?」と言う人はちゃんと考えているのか?と思ったりします。
だって、合法な方法で購入した音楽データだって、それをひとつひとつ「ここの権利物で、ここを通して買いました」というのを記録しているかどうかと言えば微妙だし、購入したサイトがサービスを終了していて、購入情報が一切残っていない場合って、証明しようがありませんよね。
結局、客観的に証明する方法って、CDみたいに形のある媒体の形で買う事なのですが、ひょっとするとそれも「正式な商品と騙されて購入した違法コピーの商品」かもしれない。データ販売だと証明するモノすらない。
もし、警察に疑われたとして、「偽物だとは知らなかった」と証明する方法はあるんでしょうか?
そんなことを考えると、ハナからそういうものを買わない方が得策と考える人がいたってなんらおかしくない話でしょう。それを萎縮だと私は理解しているのですが、違うのですか?なぜ「やましいことがなければ萎縮しない」と考えている人がいるんでしょうか。ちょっとそれは大袈裟なのかもしれませんが。

別に「音楽は無料であるべきだ!」と言っている訳ではないんです。権利はちゃんと保護されなければいけないし、アーチストには正当な還元があるべきだとは思います。
ただ、趣味で作った音楽を公開されている人もいますし、そこからメジャーデビューされる方もいます。同じアーチストで音楽が流通してたって、違法なものか、それとも合法な形で無料で配布されいるものかって区別できないいんですよね…。

一番腹が立つし、怖い事といえば、そういう重要な事が「知らない間に」衆議院を通過しているところ。
そういう事が平気で起こるから、「次総選挙があっても、消去法で入れる政党や議員がいない」と言っているのですが…。

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