公益財団法人 運転代行振興機構のフェイスブックページで、代行ラブソディーという小説が配信されているそうです。
早速1話が配信されていたので読んだのですが、せっかくそばにいるのに出てこない田辺さんが可哀想に思ったので、田辺さんサイドをちょこっと書いてみました。

車に関しては日々移動に使ってるのに無関心の部類ですので、突っ込みがあれば具体的に頂けましたら有り難いです。

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法律も日々厳しくなって、我々代行運転の需要もどんどん増えてくる。もちろん、ライバルは沢山いて昨今のガソリン代急騰などの事象があっても簡単に値上げができない分、身銭を切らなきゃいけないって面で私達にも厳しい。あ、そんなことは一社員の私には関係ないか。

「あいつ本当に大丈夫かな……」

そう。先日まで、こっちの受付側の車に乗っていた男が、今お客様の車を運転しているのだ。この会社に入ってから二種免許(*1)を取りに行き始めたヤツだが、ついこないだやっと取れて、今日が「初めて」な訳だ。確かに誰だって初めての時はあるのは理解しているのだが、その車を伴走するというのはドキドキするというか、なんというか。

ただまあ、運転の腕自体はそんなに悪くないと思うし、よっぽど運が悪くない限りはトラブルに巻き込まれたりはしないだろう。よっぽど運が悪くない限りは。……ちょっと、今回の女性客は気に掛かるのだけど。

そうこう言っている間に、ヤツの車のワイパーが動く。さしずめ肘がレバーにでもあたったのだろう。ヤツも気づいたようで、よりワイパーが速度を上げて動いている。

「焦るなよ!」

そうつぶやきながら、ヘッドライトをパッシング(*2)する。ミスはミスではあるけど、それが気になりすぎてお客様の車にキズをつけてしまっても仕方ない。まあ、落ち着けってこった。
ただ、これもどうやら慌てさせるのには十分な事だったらしく、ウォッシャー液を2回も飛ばして。やっと止まった。

お休みになれていたお客様が目を覚ましたように見える。叱られているのでなきゃいいが…。

(続くか微妙)
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*1 二種免許 - 第二種運転免許の略。タクシーやバスなど不特定多数を乗せるものを運転する場合にはこちらが必要。普段私用で運転するなどの免許保有者のうち大多数を占める免許が第一種運転免許(一種免許)。客車を運転する運転者は二種免許がなければいけないが、受付、随伴車についてはそのような規定はない。
*2 パッシング - 通常、車が多い所ではロービーム(下向き)状態になっているが、それを一瞬ハイビーム(上向き)に切り替える事で、前方の車両に「道を譲って欲しい」などのメッセージを伝える行為。今回は「焦るな」だとか、「落ち着け」というメッセージを伝えたかったのだと思う。

元が短いので、そんなに長くてもどうかなぁと思ったのだけど、何か物足りない気はする。
まあ、飲んだら運転しちゃいけないはガチだかんな!