「ホントにいいんですか?簡単な相手じゃないんでしょ?万が一の場合はエイジェント部隊のサポートがまわるとしても、割と世間にバレて大袈裟になるケースかもしれませんよ?」
私は先生にそういってはみるのだけど、まあ変わらないだろう。入学してから3年もないくらいの短い間の付き合いではあるのだけど、一度決めたらまず折れる事はない人だから。
ちょっと違うかもしれないけど、私が部長になる時だって、あまり社交的でないって事は私自身理解していたので、頑なに拒否していたのに、それでも他の候補を認めず、外堀から順番に埋めていかれて、気がつくと報道同好会の代表として生徒会に乗り込む事になってたっけ。
人の意見を聞かないという訳ではなくって、決定過程までの間には僕らに希望をきいてきたりするし、もちろん結果としてそれが反映されている事もある。ただ、先生がGOサインを出すときは、まず決定事項って考えて問題無いように思う。
なぜ、それに対して反発しないかって?家の中のぼやき程度でしか言っていないような直接話したはずでもない事まで、意図を汲んだ上で指示を出してるんじゃないかって思うくらい、ストレートな指示が飛んでくるのだから、それについて反発する必要はあるんだろうか?って。
入学の時に比べて、先回りで先生に情報を渡すことも多少は出来るようになったようには思うけど、まだまだ読めないところが多すぎる。
…ちなみに、盗聴器の類いは探してみたけどありませんでしたよ?
「止められる訳ないでしょ?彼にとっては年の離れた双子の兄かもしれないのよ?」
「え、そんな核心的な部分…」
「べつに断定してないじゃない。ただ、そろそろまとめないといろいろ大人の事情が…」
締め切り的な事を言われても、それは作者だかなんだか知らないけど、そいつが考えなきゃいけない事で、僕らには関係の無い事なんだけど…。
「実際、もっとややこしい事なのかもしれないけどね。私としては幸せにやってるんだったらそれでいい。けど、彼にとっては大切な事でしょ。もちろん、それをどうするかというのはまた彼自身の自由だけど。」
先生は軽くため息をついて、ちょっと笑顔をみせながら、
「やっぱ私も動かなきゃいけないかしら。あーあ…。アイツにあったりしたらケンカしそうだもんね…。」
この言葉にどういう意味が含まれているか。まったく想像すらしなかったというと嘘になるのだけど、それについては先生のみしかわからないんだろうなって。
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