(これは創作用のメモがわりで、フィクションです。)
「話も盛り上がってきた事だし、後は若い二人で。」
そう言いながら、私たちを残してみんな退室していく。確かにおば……お姉さんよりは若いですけども、お互いシングルに慣れきってこの年まできちゃった訳ですし。
……特段、若いって訳ではないですよね。
そんなことを言うと、正面からグーが飛んできそうなのでぐっと我慢した。
難しいところ。彼女の方がどうかは置いておいて、私は結婚しないんじゃなくて出来ないんですってタイプ。
流石に認知症はまだだとは思うけど、記憶力はいいとは言えないし、人の顔がを覚えるのも、どちらかというと苦手な方。
しかも、初っぱなで自分自身の名前が出てこないって失態だからなぁ。
いつもどこか抜けてるって言われるし、その辺の不利な点を埋めるだけの容姿があるという訳でもない。おそらくこのお見合いも失敗だろうとおもう。
だって土台無理な話だろう。歳上だときいていたのが、
「ちょっとねー。一桁目の数字の3を8と見間違えてたー。」
と。それが当人同士の顔合わせの時点で発覚して。どうしろというのよ。
「まったく。失礼な話よね。おばさんも、あなたも。」
私が、?な顔をしてると、続けて話してくる。
「この分じゃ覚えてないみたいね。」
彼女は軽くため息をつく。
「小学校の頃よ。年の離れたお姉さんのクラスに用事で行ってたら、ある少年に告白されたの。」
記憶を巡らして、思い当たりをたどっていく。まさか……
「一目惚れだって。嬉しかったけど、同時にショックだったのよ。明らかに歳上って認識でお兄さんの年齢の子に告白されたんだから。」
尚更、どうしたらいいかわからない私がそこにいた。
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