(このエントリーはフィクションです。実在の人物・団体とは何の関係もございません。)
「なんだかもう訳がわからないよ…。」
なんて言うべきなのだろうか。
私の目の前には男の遺体。…そして、血のついたナイフを持った少女があっけらかんとしたカオで立っている。
「待った!訳がわからないのは僕の方だ。私は逃げて警察に電話するべきなのか?」
明らかに混乱している。…私が。殺気だった空気が感じられないと言うのが余計に私に怖さを増幅される。
そんなことを知ってか知らずか、少女は私の方に近づいてくる。…そう、一歩一歩。
「この人が悪いんだよー。この人がぶつかってきたせいで、咥えてた朝ご飯を台無しにしちゃったんだよ!万死に値するでしょ!」
うわ…。この子、王道の恋愛フラグつぶしてる…。そんなこと考えている場合じゃないというのは当然理解しているつもりだ。…ただ、目の前の事項から逃避したかったと言う事だろうか。…思考だけでも。
「さーて、君はいーこかなぁ…。それとも、この男の人と一緒におねんねするのかな…。」
これだけ時間が経過するなら、通常誰かが通りがかっても良さそうなモノ。ただ、冗談抜きで誰も来やがらない。
「どうやらとんでもない悪い事を考えてるみたいだね-。ふふふ。でも、君と僕は同じヒミツを持った仲間だよ?いや、夫婦かな?」
な…何いってんだコイツ…。
「あ・な・た?正当防衛にする?過剰防衛にする?それともス・マ・キ?」
…この後、私がどう答えたかの記憶はないのだが、次の記憶が病院だったという事だけ言っておこうと思う。
-後日談
「済みません…私なんかを助けたりしなければこんな事…」
無論、助けた記憶はない。ただ、少なくともこの場ではけなげな少女だった。少なくとも両親は信用しているようだ。その風景にあっけにとられていると、少女がぼそっと私に言った。
「Dead or Treat?」
…たぶん、私の選択肢は限られているのだと思う。
(このエントリーはフィクションです。実在の人物・団体とは何の関係もございません。…というか、居て欲しくないです。)
コメント